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December 16, 2021

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より明確になった全体の流れ

海運業界は、ある意味において10年前の頃に戻っているようです。今後の環境規制がどのような形になるのか、それらの規制が市場にどのような影響を与えるのかという不確定さは、すでに具体的な形が見えるようになってきました。

新造船の受注低迷の時期は過ぎ去り、二系統燃料推進システムを持つ船舶や多くのオプション装備の注文が殺到するようになっています。しかし、今なお大きな疑問が残るところでもあります。

一方で、新型コロナウイルスの世界的流行が事業の通常運営の可能性に影を落とし、第一波による混乱からの立ち直りが、サプライチェーンの危機をより一層厳しいものとしています。これは、主要メディアさえも注目するほどです。

新型コロナウイルスは今後も影響し続けるでしょうが、同時に、船主や運航会社は収益性を維持しながら、最も効果的な法規制順守の方法を今一度考えてみる必要があります。

ロイズリストが行った最近の世論調査によれば、法規制の不確定さが、最大の関心を集めている問題であるとのこと。45%を超える回答者が、今後5年間の海運事業における最大のリスクとして法規制の不確定さを挙げており、海運セクターに課せられる気候対策のペースや統一性に関する懸念が拡大していることを示しています。

これは、最大の懸念が貿易制裁や規制であるとされていた1年前と比べると、ほんの小さな変化ですが、法規制をリスクとして挙げる人の数は増加しています。コンプライアンス(およびサプライチェーンの混乱による)費用は、船主にとって2番目または3番目に大きな懸念となっています。

海運業界が心配されるには十分な理由がありますが、短期的な前途は考えているよりも明確になっているかもしれません。最近の海洋環境保護委員会(MEPC)において、2050年までに海運業界の温暖化ガス排出量を正味ゼロにするという公約は合意に至らなかったものの、既存の法規制を再検討することで合意に至ったのです。

再検討の対象にはエネルギー効率関連条約(EEXI)が含まれています。この条約では、コンプライアンスに関する問題は多くありませんが、燃費実績の格付け制度(CII:Carbon Intensity Indicator)は、おそらく多くの問題を引き起こすでしょう。MEPCの公約を考えると、CIIの要求事項が今後さらに厳しくなると見られ、投資先やいかにして既存船舶の効率を上げるかで悩んでいる船主にとっては、頭痛の種となります。

炭素税が合意に至れば、長期的な不確定さがある程度広がるのみならず、欧州連合域内排出量取引制度が海運業界に及べば、炭素価格の影響も出てくるでしょう。

ロイズリストの世論調査では、船舶に脱炭素化を求める規制がいつ頃導入されるかについて、業界内で見方が分かれていることが明らかになりました。回答者の多くが2025年または2030年までには海運業界に炭素税が課せられると考えている一方、約20%の回答者は2035年以降に課せられる、10%強の回答者は課せられないと回答しています。炭素税は、再生可能燃料、中間供給インフラ、および船舶技術の費用を賄うために必要な投資財源を確保するための手段として提案されています。

一方、2023年のEEXIおよびCIIの導入が近づく中、2021年の調査結果では、既存船舶への効率性関連の装備の後付けやデジタル投資の回収を急ぐ姿勢への移り変わりが目立っています。

2020年に海運業界にとっての最も良い投資機会について尋ねたとき、多くの人はデジタル化と答え、効率性関連の装備の後付けは2位となっていました。今年同じことを尋ねると、優先度は変っており、多くの人は装備の後付けと答え、デジタル化と答えた人はわずかでした。

こうした回答の変化は、二酸化炭素規制が進むにつれて懸念が拡大したため、既存船舶への装備の後付けを直ちに求める声が、デジタル化投資の回収を求める一部の声を上回っていることを示しています。

多くの観測筋は、これらの2つを切り離して考えることはできないと見ています。なぜなら、エネルギー効率対策への投資は、船員やフリート管理者が利用できるデジタルツールを増加させることでのみ評価が可能となるからです。

Citiグループの船舶ファイナンス銀行で海運および物流部門の責任者を務めるマイケル・パーカー氏はロイズリストに対し、「2050年までは、装備の後付けが最も重要な資本支出になるだろう」と述べています。

パーカー氏によれば、新型コロナウイルスの流行は本年の活動を促し、業界の多くの企業に優先度の再評価を求めるに至ったとのこと。また、同氏は、変化のペースが業界全体で加速しており、脱炭素化問題の取り組みの準備をしていない企業は次第にリスクにさらされることになるだろうと述べています。

このことが現実になるにつれ、環境融資への関心が高まっています。融資額は、適用される技術や手元資金によってある程度左右されます。専門家もいつの間にか現れて船主を手助けし、どの技術がよりクリーンな運航を支え融資の対象となるのかをアドバイスしています。

MEPCは、COP26で出された主要声明のようなものを出すことができませんでしたが、海運業界が今後の方向性のことで大きく混乱することはないはずです。規制は、導入時期のみが不確定であるものの、増え続けることでしょう。そして、パーカー氏が警告するように、低炭素化ソリューションに投資する以外に選択の余地はありません。「もし、あなたの会社が先んじて動く企業であるか、それに非常に近い企業でなければ、取り残されていくか、未来のこの業界から排除される可能性があります」

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